循環
私たち動物には血液が流れていますが、
樹木には血液がありません。
私たちの毛細血管に当たるのが葉脈で、
樹木には葉脈を伝って、すみずみにまで
水分が流れています。
そして私たち動物が呼吸して吐き出した二酸化炭素を
緑たちは吸い取って、代わりに太陽の陽が昇ると
一斉に光合成を始めて、きれいな酸素として放出します。
私の部屋にも樹木が2本あります。
私と樹木は、そのようにして共生しています。
ここには自然の循環の小さなモデルが成立しています。
昨年は、父と兄が他界しました。
葬儀の手配・準備・打ち合わせ、四十九日の法要・埋葬、
忌中払いの準備、...その後の身辺整理や遺産相続など...
もちろん仕事しながらなので、忙しい毎日ですが、
生れたときから、いつもそばにいるのが当たり前だった
父と兄の声と笑顔は、今も当たり前のように
心の中に浮かんできます。
父も兄も、そのからだが火葬されるときには
身を切られる思いでしたが、
そのからだが水蒸気となり、天高く上げられて、
また雨となり、地に広がり、
自然と植物の生命になっていくのだと思うと
輪廻転生とは、そういう自然の循環を、
宇宙の摂理を言っているのではないかと
思うようになりました。
今も、父と兄の大きな愛情に包まれているのを
感じます。
ありがとう。
今までも、これからも。
ずっと私のお父さんとお兄ちゃんでいてください。
高橋 蒼